健やかな肌とは?

皮膚は日光や気温の変化、ホコリ、汗など常時さまざまな外的刺激をうけながら体を守っています。皮膚は体の一番外側で、今この瞬間も頑張ってくれているのです。しかし、言い換えるとその分ダメージを受けやすい環境であり、皮膚は傷がつきやすくもあります。
もし皮膚が傷ついたままだと、病気の原因菌やアレルギー物質があっという間に体内に入り込み、病気を引き起こしてしまう可能性があります。

このため、皮膚は自分で自分を修復する力、ターンオーバーという機能を持っています。ターンオーバーとは、皮膚の内側の細胞が分裂することで、常に良い状態、新しい状態ををキープし、色々なダメージを跳ね返してくれている機能です。転んですりむいた、お料理をしていて手を切ったなど、怪我をした時にも、皮膚がターンオーバーを繰り返えして傷が治っていきます。しかし最近は、環境の変化や、有害物質等々の影響で、肌が傷ついたまま修復しきれず皮膚症状が和りくなっていく方が増えています。

また、昨今はいろいろな情報があふれています。
新聞だったりテレビの特集だったりインターネットだったり、あるいは家族やお友達からの情報だったり。情報があふれすぎて何を選択していいのかわからなくなっていませんか?皮膚は一人一人違います。
自分の肌と向き合い、今自分の肌に必要な物、足りない物、余分な物が何なのかを一つ一つ確かめて行きましょう。

きよかわ皮膚科では、その方の年齢や持って生まれた肌質、生活環境や食生活など、生活リズムに合わせた治療を心がけています。治療を通じて皆さんが持っている肌本来の美しさを少しでも取り戻せるよう、そして美しい肌を少しでも長くキープできるようお手伝いさせて頂きます。

また、肌のトラブル外的刺激だけで起こるものとは限りません。目に見えるだけに気持ちに影響し、逆に気持ちがお肌に出てしまうこともあります。そのため、きよかわ皮膚科では、必要な方には漢方薬を合わせることで、治療を行っていきます。

保険診療

湿疹・皮膚炎・かぶれ・じんましん・乾燥肌・各種アレルギー・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・水虫・虫刺され・イボ・水いぼ・ホクロ・脱毛症・魚の目・タコ治療・日焼け ヘルペス・帯状疱疹 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は全身のあちこちに痒みの強い湿疹などの症状が 良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎は日本皮膚科学科の診断基準に基づき、診断していきます。

  1. 痒みの程度
  2. 特徴的な皮疹が体のどこにできているか。(年齢によって違います)
  3. 症状が繰り返しているか

さらにアレルギーの程度を見るため、血液検査を行う場合もあります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の主な原因は、皮膚のバリア機能の低下とアレルギー反応を起こしやすい体質(「アトピー素因」)がベースにあります。乾燥した、弱いバリアの肌から、さまざまなアレルゲン(ダニ、ホコリ、食べ物など)が体の中に入ることによって、痒みや皮疹を引き起こすと言われています。また、掻くことによって、さらに傷が広がり、悪循環になっていきます。

アトピー性皮膚炎の治療

まずは保湿をして、皮膚のバリア機能をこれ以上低下させないことが重要です。入浴の仕方などもポイントになります。その上で、外用薬で炎症と痒みをしっかりと抑えることが必要です。

当院では、ステロイド外用の軽減、日常生活の改善のため、加えて漢方薬治療をおこないます。

(代表的な漢方)

  • 乾燥肌のための漢方   当帰飲子
  • 炎症を抑えるための漢方 黄連解毒湯
  • 痒みを止める漢方    消風散

ニキビ・尋常性ざ瘡

にきびはなぜできる?

にきびの主な原因は、

  1. 性ホルモンなどの影響により皮脂分泌が活発になること
  2. 古い角質がつまるなどして毛穴がふさがること
  3. にきびの原因菌(アクネ菌など)が増殖すること
    が挙げられます。

加えて、月経不順や睡眠不足、便秘など、体調面や、間違ったスキンケアによる皮膚のダメージ、ストレス、不規則な生活など、生活面にも増悪因子があります。
基本は中学生、高校生でピークを迎えるにきびですが、最近では20歳以上でも、思春期にきびが継続して行く方が増えています。

にきびの治療

  1. まずは、自分の肌にあったスキンケアを知りましょう。乾燥肌の方が、にきびケアの化粧品を使いすぎてますます悪くなる場合もあります。
  2. 症状に合わせ外用剤を使用します。アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬などがあります。
  3. 生活習慣を見直しましょう。食生活、睡眠など規則正しく生活しましょう。
  4. 必要に応じて当院では漢方薬を処方します。

(代表的な漢方)にきびのための漢方

  • 十味敗毒湯
  • 荊芥連翹湯
  • 清上防風湯
  • 便秘のための漢方
  • 桃核承気湯

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎ってどんな病気?

通常、皮脂腺から皮脂が分泌され皮膚は潤いを保っています。この皮脂の分泌が多くなった状態を脂漏といい、脂漏に加え紫外線や皮膚の常在菌が引き金になって皮膚炎を起こした状態です。

増悪因子

  • カビの発生
  • 入浴不足や洗顔不足
  • ストレス
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 睡眠不足
  • バランスの悪い食事

脂漏性皮膚炎の場合、上記のような生活習慣などが増悪因子になります。ですので、完治するまで時間が掛かることもあります。根気よく直していきましょう。

脂漏性皮膚炎の治療

抗真菌剤外用
ビタミンB群の内服
脂漏性皮膚炎の場合、生活習慣を整える漢方を処方したりします。

(代表的な漢方)

  • お顔の赤みに 黄連解毒湯、十味敗毒湯
  • 便秘解消   通導散

不眠やストレスにも漢方を処方します。

ホクロ・イボ

一般に褐色または黒い色で皮膚の表面よりわずがに盛り上がった物をホクロ、イボと言いますが、大きくは皮膚の腫瘍性変化とウイルス感染による変化に分けられます。

ウイルス性のイボ
ウイルスが皮膚の表面に付着することで感染します。
皮膚の表面の傷や乾燥でバリア機能が低下すると感染しやすくなります。

ホクロ・イボの治療

一般的なイボの場合 週一回の液体窒素療法を行います。水いぼは、経過観察または、麻酔テープを一時間ほど貼付し痛みを除いた後、ピンセットで除去していきます。

(代表的な漢方)

  • ヨクイニン

*皮膚の腫瘍性変化
まずはダーマスコピーを用いて、皮膚のどのような変化なのか観察をします。
手術的切除が必要な場合と、レーザーや焼却が可能なものか判断して、治療方針を決定していきます。

酒さ・酒さ様皮膚炎・赤ら顔

酒さ・酒さ様皮膚炎・赤ら顔とは?

お顔の赤み、特にお鼻周りを中心に赤みが出ることが多い皮膚炎です。
幼少時よりお顔に赤みが出やすい、もともとほてりや、皮膚が過敏な方にも 症状が出やすくなります。また、そのような赤みに長期にステロイドを塗布したことで、酒さ様皮膚炎(ステロイド皮膚症)となり、毛細血管の拡張が目立ってきます。

酒さ・酒さ様皮膚炎・赤ら顔の治療

基本はワセリンなどにより皮膚を保護すること、膿疱には抗菌剤外用あるいは抗菌剤内服が主となりますが、長期経過となります。当院では、細かい皮膚のケアとともに漢方治療を行います。マイルドな治療で少しづつの改善ですが、リバウンドが少ないのが特長です。

(代表的な漢方)

  • 黄連解毒湯・十味敗毒湯・加味逍遙散 など